四字熟語にハマっている今日この頃、サスペンス劇場なんかで刑事さんが、「犯人は朝三暮四(口先で人をだますこと)だ」なんていうフレーズが耳に飛び込みます。
朝三暮四をスルーする家族に向かって、ここは私の出番とばかり、「朝三暮四の意味はね…」などと講釈を始めたとたん、我が家もサスペンス劇場のような雰囲気になってしまいます。
しかし私はめげません。よし、四字熟語の次は三字熟語だ!どれどれ、三字熟語はどんなものがあるかのかな?と調べてみると、おお、四字熟語とは違った面白味があるじゃないですか!
まずは最初を意味する「1」からということで、「一」で始まる三字熟語を調べてみました。その数、なんと205語!
それでは、「日常的に使いやすい」「ビジネスに使いやすい」「座右の銘に使いやすい」「昔に使われていた」の4部門に分けて、一から始まる三字熟語をみてみましょう!
まずは今さらではありますが、広辞苑で「一」の意味を調べてみました。
いち【一・壱】(呉音)
🈩⦅名⦆
①自然数の最初の数。ひとつ。ひと。いつ。「壱」は「一」の大字。
②幾つかの中の一つ。ある一つ。「一部分」
③最もすぐれたこと。また、そのもの。第一。首位。最善。「―のおとど」「世界一」
④物事の最初。「―からやり直す」
⑥もっぱら。ただ一つ。
⑦わずか。
⑧三味線のいちのいと。
⑨髷(まげ)の元結(もとゆい)で結んだ所から後方に出た部分。
🈔⦅副⦆
最も。一番。いっち。狂言、文相撲
「何を―得てゐるぞ」
引用元:広辞苑 大修館書店
「一」は名詞だけでも9つの意味があります。これだけ意味があると、三字熟語も多様多彩なものがあります。
日常会話で突然こんな言葉を耳にして、「何だっけ?」となりそうな三字熟語を集めました。
中には「言われなくても知ってます!」っていうのもあると思いますが、身近にありすぎて気が付かないなんてこともなきにしもあらず。大目にみてくださいm(__)m
意味禅語などを一行に書いた茶席の軸のこと。
意味(料理屋など)初めての客。
意味弦が1本の楽器の総称。
意味一語から成る文。「はい」「いいえ」「わんわん」「来い」「すてき」など。
意味一生なおらない病気。
意味(雑俳用語)かな3~4字の簡単な題句の意味をくんで、17文字の俳句を詠むこと。
意味その時だけ支給するお金。
意味次元の数が一つであること。
意味①墨継ぎせず一気に書くこと。②一枚の紙に一字ずつ書くこと。
意味自分の名乗りの一字、または苗字の一字を花押し(署名の下に書く印)したもの。
意味和歌・連歌・俳諧などの題が漢字一字のもの。二字以上でも一概念からなるもの。
意味初七日。
意味一日で行くことが出来る道のり。一日路(イチニチジ)。
意味しばらくの間。その場限り。
意味花を挿す窓が一つある筒形の竹の花入れ。
意味学校教育法第一条に定める学校。
小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、特別支援学校、幼稚園の8種。
意味能の道具。一畳分の木製の台。
意味一見識ある人物。
意味新しい方面。生面(新しい境地。初めて会うこと)
意味①一椀ずつ提供する飯。②出棺の際、近親者が別れのために食べる一杯ずつの飯。
意味①子がなく跡継のいない男。②好色一代男の略。
意味①子供のいない女。②好色一代女の略。
意味一生涯の記録。
意味一代に一度だけ行われる大規模な能興行。
意味「歹(ガツ)」を「一」と「タ」の2字にわけてよんだもの。「がつへん」
意味一つの段落。ものごとの一区切り。
意味①多くの人が声をそろえて書を読んだり、歌をうたうこと。一口同音。②多くの人が同じことを言うこと。異口同音。
意味法華経、大般若経、一切経(仏典をまとめた典)を一日で書写すること。
意味1月を除いた毎月1日、宮中三殿で行われる祭祀。
意味一日で歩ける道のり。一日程。
意味①儀式の服装など特別な日に立派に飾ること。②その時限りに用いる晴れ着、器具。③物事の普通とは変わったもの。
意味当選者が一人の選挙区。
意味自分、自分を含む仲間。「私」「われわれ」
意味①一人分。②おとなになること。
③人並な芸や技術を習得したこと。
意味故人の命日から一年後。一周忌。
意味1年内に発芽し花を開き、実を結んで枯れる草木。アサガオ・シソなど。
意味年が明けてから蒔く麦。
意味「頁」を「一」と「貝」に分解してよんだもの。大貝(オオガイ)
意味一番勝負のこと。
意味稲田を除草する1回目。
意味①最初に生まれた子。②その家で一番出来の良い子。
意味春、最初に摘み取った茶。春の季語。
意味明け方、最初に鳴くにわとり。
意味一番に輝きだす星。
意味①順番の一番目。②一日の最初に上演される歌舞伎の演目。一番目物。
意味全体の中のある部分。
意味一枚刷の版画。
意味紙一枚に印刷すること。一枚絵。
辻番付(歌舞伎番付の一つ)
意味一枚の布で仕立てる袖。対義語二枚袖。
意味一枚の板で作った盾。
意味棚板(舵側)が一枚の板で出来た簡素な小舟。河川の通行や農耕に使用。
意味木の板に文字や絵を彫って作った印刷用の板。それで印刷したもの。木版。
対義語一字版。
意味同じ耕地に1年に1回だけ作物を作ること。
意味わき目もふらずに急いで逃げること。
意味ねうちのない人。
意味一夜かぎりの遊び。
意味ツツジ科の多年草。止血、傷薬とされる。
意味一晩で醸造した酒。甘酒など。
意味一晩で築いた城。太閤一夜城。
意味酢飯に塩と酢で締めた魚をのせて重しをし、一晩程度なじませた鮨。
意味①一晩で漬けた漬物。②即興で出来た脚本、芝居。③急ごしらえの準備。
意味樋口一葉の忌日。命日。
意味土屋一楽が発明した藤細工の編み方。一楽織。
意味一晩だけの妻。遊女。
意味一つの訴訟の判決。
意味一里離れた遠方まで聞こえる鐘。一突きの鐘の音が一里まで響き渡ること。
意味2合5勺(約0.45ℓ)入りの舛。
意味①死者に備える飯。一盛飯。②一杯盛り切りの飯。一膳飯。
意味一回だけの動きで人を笑わせる芸。
意味①その時だけ、大きな仕事をする人。②いっときのみ活躍した人。
意味剣術の一派。一波流。
意味個別の違いを除き、共通したものを残して広く通じる芸念や法則を作ること。
意味特別の地位のない人。ある事柄に関係のない人。
意味一般的であるということ。
意味①ある部類に共通であること。②ある部類のものの大部分が共通であること。
意味適用領域が地域・人・事項によって限定されない法。
意味具体的な問題を抜きにして、一般的なことだけを論じる議論。
意味一筆で墨継ぎをせずに描いた画。
意味小さい短冊形の便せん。
意味床の間に一幅(掛け軸の数え方)の掛物をかけて、下に置物などを一つ置くこと。
意味一杯だけの茶。茶は一杯だけ飲むものではないと忌(イ=嫌って避ける)む。
意味一服飲むとなおるという薬。
意味1,2日のこと。
意味根本を残して二つに割った竹串に小魚2匹を刺して焼き、串元に紙を巻いたもの。
意味①車輪一個の手押し車。②車輪一個の自転車。
意味キンポウゲ科の多年草。春の季語。
意味①すごろくで二つのさいの目に1と6が出ること。②毎月1と6の日。③強盗の隠語。
意味質屋(一と六で七)の俗称。
意味死んだ翌年の同じ日に行う法事。一周忌。一年忌。
意味一度しか起こらないであろうこと。
意味一人の子。
意味短い間に起こり、すぐに消える症状。
意味はじめから終わりまで一つの考えを貫くこと。
意味千日。一節では百日。
意味漆器の一種。一閉張。
意味①一騎ずつ進むこと。②一対一の戦い。
意味①一軒だけ建っている家。②長屋でない家屋。
意味一門の人々。
意味一つの優れた考え方。一見所。
意味正面に一つの柱間がある神社本殿。
意味片意地な人。一徹な人。一国者。
意味仏法を信じられず、成仏することができない者。
意味一度のたより。
意味能楽の笛方の流派。
意味髻(髪を頭上で束ねたもの)を一握りほどの長さに切ること。
意味日蓮宗の一派。
意味仏像などの長さを計る一単位。親指と中指を広げて計った長さ。
意味浄瑠璃の一流派。
意味まる一日。24時間。
意味葬儀後、蝋燭を1本ともし、その間だけ回向(エコウ:お教の功徳を亡くなった人に回し向けること)すること。
意味一つの文字。一字。
意味①一人分。②おとなとして扱われること。③人並にものごとを習得したこと。
意味1枚の羅(ウスギヌ)①持っている着物の中で一番上等なもの。②1枚しか持っていない着物。
意味①一本の直線。②まっすぐ。ひとすじ。
意味一徹な人。
意味全世界。世の中。
意味分岐点。
意味①青葉に咲く一輪の紅の花。ザクロの花。②男性ばかりの中にいる一人の女性。
意味①一時間②午前・午後の一時。
意味同じ物が二つとない物。
意味国際上、最も優秀な諸国のこと。
意味客車の最上級車。1969年より等級制の廃止によりグリーン車となる。
意味天体の明るさの度合い。肉眼で見える最も明るい星。
意味一挙手一投足。こまかな一つ一つの動作。
意味最も条件の良い土地。評価額の高い土地。
意味木彫り細工。一本の小刀で素朴な荒彫りを施す刀法。
意味一方だけに傾倒すること。
意味一方だけにある出入口。
意味①一方向にかたよること。②自分のことだけを考えて物事を考えたり、行うこと。
意味①少量の土。②「史記」墳墓の異称。
意味分かれたものをまとめて一つにすること。
意味侠客(男気のある人)の異称。
意味一途に思い込む性格。
意味①多数の人が一品ずつ写経を書写すること。②法華経28品を一品ずつ一巻に仕立てた巻き物。それを仏前で声に出して読むこと。
意味歯が一本だけの下駄。
意味死者に供える、高く持った飯の上に立てる一本の箸。
意味一本の材木を渡しただけの橋。
意味死者の枕元に立てる樒(シキミ:葬儀などに供える植物)。
意味まっすぐに続く道。
意味①槍を一突きして勝負をきめること。②唯一のわざ。③一つの方法でやり通すこと。
ビジネスよりの三字熟語です。こんな難しい熟語を使わなければならない職場には縁がなかったですが、知っておいて損はなさそうです。でも、日常に使える三字熟語もありそうですね!
意味一つの議院によって議会を構成する制度。対義語二院制
意味①一つの意味にだけ解釈できること。②一番根本的で重要な意味であること。
意味多くの事務や組織を一つにまとめること。
意味一つの優れた見識。
意味様々な現象が、一つの根本的原理によって成り立つこと。
意味一つの原理だけで全てを説明しようとする考え方。
意味地位や職業を離れた一人の人。全体の中の一人。
意味木活字、銅活字を一字ずつ並べて印刷したもの。植字版。対義語一枚版。
意味①第一の旦那。もっとも多い財物を喜捨(喜んで施す)する檀家。②第一の得意先。
意味順調に進んだ事が突然、中止になること。
意味①一番に敵陣に討って出る郡勢。②最初に物事にあたる人。③競争者の中でもっとも優位な人。
意味一枚続きの裂け目のない大きな岩。強固な組織のたとえ。
意味一番最初に敵に槍を突き入れること。最初に功績を上げること。
意味一方面からだけの見方。
意味一度面会したことがあること。
意味見方や考え方が一つに偏っていること。
意味手形の支払方法の一つ。
意味さまざまな項目を一目でわかるようにした表。
意味一つの角の大きさをその一辺を他辺の位置からどれだけ回転すれば得られるかで表すとき、その回転の量のこと。
意味数列の第n項をnの式で表したもの。
意味国家公務員、地方公務員で特別職以外の職。②企業の一般業務を行う職。
意味仲間を作らずに一人で独自に行動する人。
意味①街道の両側の一里ごとに土を盛り、里程の目標とした塚。②大きな仕事の区切りとなる目印。
意味さまざまな組織が1ヶ所に集まること。
三字熟語で仏の教えをあらわすことができるんですね。「一」がつくとそれだけで有難く感じてしまいます。座右の銘候補にもいかがですか?
意味一生のこと。
意味真実の理を説く教え。特に、法華経。
意味須弥山(シュミセン)を中軸とした四洲・四大海・日・月などのある領域。仏教語。
意味釈尊が一生の間に説いた教え。
意味①重大な出来事。②仏が一切衆生(この世に生きるもの)を救済すること。
意味一度指をはじいただけの短い時間。仏教語。
意味浄土宗の一派。行者と仏とが一体となる一念によって往生する。対義語多念義
意味仏の悟りに到達するための教え。法華教。一乗。一仏乗。
意味①一つの文字。②横にまっすぐなこと。わき目をふらず、一直線に突進すること。③掛軸の本誌の上下に横につける細いきれ。④刀の銘に「一」の字を切ることを後鳥羽天皇から許された刀工の系統。
意味一向に阿弥陀仏を信じる。浄土真宗。
戦国時代の武士や江戸時代の町人が使っていただろう三字熟語です。これで時代劇に登場しても意味がわかりますね!?それにしても「一日買」だなんて、普通にあったことなんでしょうか?
意味中世、許可の辞令や吹挙状(推挙する書状のこと)の簡単なもの。お墨付き。
意味中世の所領相続の形式。その人一代かぎり地行(土地で何かを行うこと)し、死後は総領など所定の人へ変換すること。
意味江戸時代、寺社、町、勘定の三奉行が評定所に参集して行った裁判。刑事事件の重大なもの。
意味室町時代以後、元服(男子の成人を祝う儀式)に際して、烏帽子親(仮親)が子に、主君が家臣に、自分の諱(イミナ:生前の名)の一字を授与する証拠の文書。
意味遊女を昼夜、買い切ること。
意味江戸時代、農漁民で一人前の課役(カエキ:割り当て)を負担するもの。本役。
意味上卿中(平安時代朝廷の公卿の筆頭)最も有力なもの。左大臣。一上(イチノショウ・イチノカミ)。
意味武家時代、敵の襲来に備えて先頭で待ち受けること。
意味軍陣で最初に吹く陣貝(ほら貝)。
意味戦場で一番に討ち取った首級(敵の首)。
意味江戸時代の長方形の金貨。1両の1/4。一歩金。一分判。
意味江戸末期の長方形の銀貨。1両の1/4。
意味史生(シショウ:下級書記官)の代わりに京官(キョウカン:官職)に任じること。
意味平安時代、諸国の史生(公文書などを浄書する官)を任命した除目(官を任命する儀式)。
意味一文ずつの少額の商売。
意味①明治時代の孔明き銭。1文10枚で1銭。②少しの銭。③紋所の名。
意味1文ほどのおもちゃの笛。
意味一文の安物を扱う店。
意味江戸時代の藩札、明治期の太政発行の紙幣。
意味天正から江戸末期まで使われた小判。
意味大名につかえる家来一同。
意味武士が差し出した着任状などの前や後ろに、奉行が確認して「一見了」などと書いた文書。
意味近世、村落で一人前の権利や義務を有する家。一戸前。
意味一人一銭の髪結い。床屋。一文剃。一銭職。
意味旧陸軍の階級。上等兵⇒一等兵⇒二等兵。
意味江戸時代の代表的な剣術。
意味一時(二時間)ごとに書く手紙。遊女が客へ思いを伝える手段。
意味米一俵の収穫に対して一斗の小作料。
意味一斗(18.039ℓ)をはかる舛。
意味一人の下級兵士。
意味刀を一本差していること。侠客。
205語の「一で始まる三字熟語」を4部門に分けてご紹介しました。
他の数字を使った熟語はこれほどの意味はないので、「一」は特別な存在感を持っているんですね。
ただ、「一」で始まる三字熟語は他にもあるかもしれません。あとで発見した三字熟語は、こっそりと追加しちゃおうと思います。
それでは、最後までお読みいただき、有難うございました!