壱弐参…続きを見てみよう!ご祝儀袋に必須の漢数字一覧表も利用してね

漢字

漢数字には、小(ショウジ)字と大字(ダイジ)があります。と、エラそうに語っていますが、私もつい最近、その事実を知りました。知ってる人にしたら、「え?何十年も生きてて?」と呆れられそうです。

「どうして漢数字に、一と壱があるの?」「一二三…が壱弐参なら、四五六…もあるに違いない!」と、大字の存在に辿り着いたのでした。

でも、「壱弍参」の続きって、あまり知られていませんよね。普段、私たちが目にするのはお札にかかれた壱万円の「壱」くらいで、あとは知人の結婚式に持っていくご祝儀袋に金額を書く時くらいでしょうか?

実は、誰もが一度は悩むであろうご祝儀袋も、漢数字の大字と小字の謎が解明できれば、超簡単です。きっと、鼻歌まじりに金額を書き入れることができるでしょう。

この記事は、壱弐参の続きを知りたい方、二種類の漢数字があるのか疑問に思う方、大字の意味を知りたい方、なぜご祝儀袋の金額の書き方に悩む方にお勧めします。

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壱弐参…萬まで見てみよう

漢数字の小字とは、毎度おなじみの「一、二、三、四、五、六…」です。

そして、漢数字の大字とは、小字「一、二、三」に対して、「壱、弐、参」と書きます。

では「壱、弐、参」に続く、「四・五・六…」の大字はどう書くのでしょう?

こちらが、〇から万までの大字です。大字には新字と、現在使われていない旧字があります。読み方は小字と同じです。

小字大字(新)大字(旧)
壹、弌
弍、貳
弎、參
四、亖
漆、質
十(10)拾、什拾、什
廿(20)弐拾貮拾
卅、丗(30)参拾參拾
卌(40)
陌、佰陌、佰
二百
阡、仟阡、仟
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大字が誕生した理由

なぜ漢数字に大字があるのか不思議に思いませんか?

実は大字には、とっても大事なお役目があります。

いつも使っている「一、二、三…」は、とても単純な字体です。領収書などに書かれた「一」にちょこっと手を加えて、「七」や「十」にすることも可能です。

反対に、「三万円」の領収書を会社に提出する際、本当に三万円かかっているのに、会計から「もしかして、一に縦線を付け足したんじゃない?」なんて、悲しい誤解をされることもなきにしもあらずです。

そこで不正を防止するため、701年に大宝律令が制定され、『公文書は印鑑を押すこと。年号は西暦ではなく元号を使用すること。数字は漢数字の大字を使うこと。』などが定められました。

この時からなんでも書類には印鑑を押すことになったのですね。最近ようやく印鑑が不要となりつつありますが、コロナ禍がなければまだまだ印鑑の時代が続いていたかもしれませんね。

ただ、この法律で定められた漢数字は、すべて大字に変換する必要はありません。付け足しが可能になりそうな小字「一、二、三、十」の大字である「壱、弐、参、拾」のみとなっています。

大字の意味は数字と関係なし?

大字の漢字の成り立ちをみると、数字とは無関係であったりします。

では、大字の漢字の成り立ちから、意味を見ていきましょう。

零(〇)

解字雨+令。意味令は、清らかなお告げを意味し、零は「清らかな雨=しずく」を表します。霝(レイ)とも書き、雨+3つの小さな水玉の成り立ちから、「小さい」の意味もあります。

壱(一)

解字壺(旧)=壺+吉。意味壺を密封し、吉(めでたい=酒)を発酵するさまから、「ことが成功するように力を保つ」、転じて「一つ」の意味になります。

弐(二)

解字弍(旧)=弋+ニ。意味弋は、くい(地中に打ち込む棒)のこと。「二本のくい」を表します。

参(三)

解字參(旧・象形) 意味三玉のかんざしをきらめかせた女性。そこに三筋の模様「彡」を加え、「入り混じってチラチラする」の意味があります。

肆(四)

解字長+隶(手でもつ)。意味漢字の成り立ちどおり、「手にとり、長く並べる」の意味があります。また、肆の金文は長い毛を持つ獣をあらわしており、「毛の長い獣の毛皮をひらき、さらす」、転じて「つらねる」の意味となります。

伍(五)

解字人+五。意味五人組」の意味があります。

陸(六)

解字阜(阝)+坴。意味坴は、土が高くつもり、広がったさまをあらわします。丘を意味する「阝」がつき、「盛り上がって連なる」の意味となります。

漆(七)

解字氵+桼。意味桼は、うるしの木の樹液。水(氵)がつき、中国の川の名となります。または、「液体のうるし」を意味します。

捌(八)

解字手₊別。意味漢字の成り立ちどうり、「手でわける。さばく」の意味があります。

玖(九)

解字玉+九。意味黒く美しい玉のような石」の意味があります。

拾(十)

解字手+合。意味合はあつめる、「手で集める」の意味があります。

弐拾(二十)・廿

大字の「弍」と「拾」で「弍拾」です。それよりも小字の「廿」が気になりますが、一般的に「廿」は使われていません。

解字(廿)十+十。意味二十

参拾(三十)・卅

大字の「参」と「拾」で「参拾」です。一般的に「卅」は使われていません。

解字(卅)十+十+十。意味三十

(四十)・卌

四十の大字は確認できませんでした。一般的に「卅」は使われていません。

解字十+十+十+十。意味四十

佰・陌(百)

解字(佰)人+百。意味。百人一組の隊、その隊長。解字(陌)阝+百。意味数が多い」また、陌は道をあらわすので、「耕作地の間をはしる多くの道」の意味があります。

皕(二百)

解字百+百。意味二百。

仟・阡(千)

解字(仟)人+千。意味。千人の集団を統率する人。解字(阡)阝+千。意味多い」また、阡は道をあらわすので、「耕作地の間をはしる多くの小道」の意味があります。

萬(万)

解字(象形文字)大きなハサミを持ち、猛毒のあるさそり。意味「蠆(サソリ)」の「萬」から「まん」と読み、古くから「万」の略字として使われています。萬は「よろず」とも読み、「数が多いこと」、「千の十倍」という意味もあります。

それぞれの意味が数字に繋がるかと思いきや、まったく数と関係のない意味もあります。

ただただ、読み方が同じということで大字に抜擢されたのだと思われます。

ご祝儀袋の金額の書き方

結婚式のご祝儀を用意する段階になって、はたと困りませんか?ご祝儀袋に金額は書くの?どう書いたらいいのかな?と。

つまらないトラブルを防ぐ意味でも、ご祝儀袋の裏面には金額を書きましょう。

そして、金額は漢数字の大字を使いましょう。

でも、全部を大字にする必要はないんです。

せっかく頑張って、六を「肆」、七を「漆」と書いても、受付の方に「?」と思われる可能性もあるので、「壱、弐、参、拾」以外は馴染みのある小字を使いましょう。

「壱萬圓」と、「円」の旧字体である「圓」を書くことも間違いではありません。新字体で揃えるなら「壱萬円」になります。

ご祝儀袋などに書く金額の記載例です。

  • 1万円 金 壱萬円
  • 1万5千円 金 壱萬五仟円
  • 2万円 金 弐萬円
  • 3万円 金 参萬円
  • 5万円 金 五萬円
  • 10万円 金 拾萬円
  • 15万円 金 拾五萬円
  • 25万円 金 弐拾五萬円
  • 30万円 金 参拾萬円
  • 35万円 金 参拾五萬円
  • 100万円 金 壱佰萬円
  • 1千万円 金 壱仟萬円

付け足し防止のため、金額の前に「」をいれましょう。

5銭や10銭など、銭があった時代は、追加で書き込みができないように「金〇〇円」と、「也」を書きました。今は円しかないので、「也」をつけなくても良いのですが、『10万円以上の金額には「也」を書く』と、古いしきたりを重んじる方もいらっしゃいます。どちらでも間違いではありません。

ご祝儀メモご祝儀の金額は、割り切れない奇数にします。ただ、末広がりを表す「8」は縁起が良いとされていますし、未成年の方は経済的負担から「2」も失礼ではありません。

「割り切れるけど?」と悩む「10」も、ご祝儀として問題ありません。

4(死)」、「9(苦)」、「6(無)」は、縁起が悪いとされています。

まとめ

壱弐参に続く漢数字の大字、その大字ができた理由、漢字の成り立ちでわかる意味、そしてご祝儀袋の金額の書き方をお伝えしました。

壱万円など身近に感じる「壱」もあれば、「肆」や「漆」など、数字だなんて思えない漢字もありました。

大字には、数字に関係する意味もあれば、まったく関連性を感じないものもありました。読み方が同じということで、大字として使われ始めたものと思われます。

大字ができた理由は、「一、二、三、十」がいかようにも変化させることのできる漢数字であるため、大宝律令で「公文書や領収書において数字を使用する際は、漢数字の大字を使用する」と定められたからです。

私たちが身近に大字を感じるのは、ご祝儀袋に金額を書く際です。

まずは間違いを防止する為、必ず金額は書きましょう。「一、二、三、十、万」を書く際は、「壱、弐、参、拾、萬」と大字を使用します。そして、金額の前に「金」を書くことをお忘れなく。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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「一」を広辞苑で調べると「一・壱」とあり、どちらも同じ意味ですよみたいな位置づけです。まったく字が違うのに、どうして同じ扱いなんでしょう?この記事では、「一」と「壱」の意味や漢字の成り立ち、同じ漢字のように扱われる理由についてご紹介します!
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