「わや(方言)」の意味を徹底的に!複数地域で愛される魅力を総特集

方言

私の住む北海道ではよく、「~してわやだ」と言います。「も~わや」と言うことで、その状況を乗り越えられるような気分になるのです。

でも、今まで「わや」の本来の意味や、どこから来た方言なのかを考えたことがありませんでした。

調べてみると関西発祥の言葉のようですが、全国には「わや」を知らない方もいることを知ってビックリしました。

道民がなんの抵抗もなく使っている「わや」が、他県の人にとっては未知の方言だったなんて!

そこで辞書を引いてみたところ、「わや」には「確かに!」と頷きたくなる意味や由来が載っていました。

この記事では、「わや」方言の意味と由来、使われている地域や会話例、そして各地の「わや」以外の方言をご紹介します。

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「わや」納得の意味&意外な意味

広辞苑で「わや」を調べると関西方言とあり、北海道の「ホ」の字もありません。

わや(関西方言。「わやく」から)

①道理に合わないこと。乱暴なこと。無茶。浄瑠璃、生玉心中「さ程沢山な一歩を戻すまいとはそりやーぢや」。「-を言う」

②もろいこと。よわいこと。

③だめなこと。めちゃくちゃ。「-になる」

引用元:広辞苑第七版 岩波書店

「乱暴なこと」「めちゃくちゃ」は想定内でしたが、②の「もろいこと」「よわいこと」を表すとは驚きです。北海道ではそれらの意味で「わや」と言うことはありません。

ちなみに、方言辞典に載っている意味は「台無し」した。

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わやの語源は古語だった!

「わや」の語源は、「枉惑 おうわく」が音変化した「わやく」からきているようです。「枉惑」とは今昔物語集にある古語になります。

「わや」の語源は平安時代の古語「枉惑」(おうわく)にさかのぼる。「道に外れたことをして人を惑わす」ことを意味していたが、一七世紀以降「わやく」と形を変えて各地に広まっていく。

同時に短縮形の「わや」が「むちゃくちゃ」の意味として方言に残ったようだ。

引用元:それいけ!方言探偵団 平凡社新書

「枉惑」は「道に外れたことをして人を惑わす」とあり、今の意味とは全く違います。

「枉惑」から形を変えたと言われる「わやく」の意味を調べると、ようやく「無理なこと。無茶。わや。」とありました。

この「わやく」が短縮されて「わや」になったものと思われます。

全国に散らばる愛され方言

大阪、北海道だけでなく、全国あちらこちらで「わや」が使われています。

北海道「わやにしてしまった」

青森県上北群 津軽「家の中わやだ」

山形市 新潟県中頸城群 福井県敦賀群 岐阜県「そやーなやぼな事ゆーと、せっかくの話もわやじゃ」

愛知県「新しい服にこんなに泥をつけてわやだな」

三重県 滋賀県蒲生郡 大阪市「さっぱりわやや(全然だめだ)」

兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県「雨になってみなわやになった」

岡山県「大掃除でわやにしている処(ところ)じゃ」

広島県倉橋島・高田郡 山口県 徳島県「今迄(いままで)の辛抱がわやになった」

香川県 愛媛県 高知県・高知市「下手に鏝(こて)をかけると髪がわやになる」

福岡県「わやになった」長崎県 熊本県玉名郡 大分県

引用元:日本方言辞典 小学館

このように、「家の中」「髪」「辛抱」「話」など何に対しても「わや」は使えます

それだけ、めちゃくちゃな状態を表す言い方として「わや」はピッタリなのでしょうね。

北海道ではこんな感じで使います

北海道では、どんな場面で「わや」を使うのかをご紹介します。

誰だ?穴開けたのは?壁がわやだべや

あなたです!酔ってわやだったんだから!

ロープがわやですが、脱出できるのでしょうか⁉

わや過ぎて無理です。

その他、このような厳しい状況にも、あえて「わやでしょ!」「わやになっちゃった・・」「わやだな~」と言うことで、「大丈夫なんとかなるさ!」と思えるから不思議です。

北海道方言の総まとめ!意味や会話を全力で伝えつくしてみるよ
北海道に生まれ住んで半世紀。ようやく気がついた北海道への愛情。なにかで表現しようと思いついたのが北海道の方言を皆さんへご紹介することでした。この記事では北海道の方言を簡単にまとめています。各方言の詳細な記事もあるので覗いてみてくださいね!

「台無し」を意味する全国の方言たち

「台無し」を意味する方言は「わや」以外にもたくさんあります。

  • ささっぽさ
  • ささほーさ
  • ささらさいほー
  • ささらほーさら
  • だりこっぱい
  • だるこっぺー
  • なしわへしわ
  • へちゃくちゃ
  • らり
  • らりらんごく
  • わい
  • わやくちゃ etc

これ以外にも、見ていて楽しくなる方言がたくさんありました。「ささらほーさら」はどちらかというと、「気にしなくてい~よ」のような涼し気な響きですが、「台無し」の意味とは恐れ入りました。

まとめ

「わや」は関西方言と広辞苑にありますが、現在は北海道はじめ、全国各地で使われています。

「台無し」「めちゃくちゃ」という意味で、古語の「枉惑(おうわく)」が音変化し、「わや」に落ち着いたものと思われます。

「わや」は人、物、状況、話など、どんな場面にも使え、「わや」と言うだけでわやな状況を乗り越えられる気分になる方言です。

そして、「わや」以外にも各地に「台無し」を意味する方言が多くありました。初めて聞く人にとっては、意味が全く想像できないものもあり、方言の楽しさ、奥深さを感じました。

この記事では、「わや」の意味と由来、使われている地域と会話例、そして「わや」以外の各地の方言をご紹介しました。

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