漢字が中国から輸入されたものだって知っていましたか?確かに日本と同じ漢字がたくさんあります。
でもだからと言って、漢字だらけの四字熟語をジーッと眺めて意味がわかるものって、ごくわずか。中には100%想像できない意味だったりします。
そして、そんな四字熟語ができあがった背景には、その歴史を学ぶにはもってこいの面白ストーリーがあったりするんです。
中国の歴史も、日本の歴史同様、人間の欲や思惑が入り乱れて大変な状況です。これが真実なのか、創作なのか、現場にいたらそりゃ大変でしょうけど、こうして読む分には面白いな~ですみます。水戸黄門を見ても思いますが、今の時代に生まれて良かったなと思います。
この記事では、四字熟語誕生の由来が真実でも、小説のように作られたお話だとしても、「へぇ~面白いなぁ」と感心するものばかりを集めてみました。
面白ポイントはちょっと長いですけど、読めば「おもしろい!」と思ってもらると思います!
ことわざの背景が面白い 四字熟語
ことわざを聞いたら「あ~知ってる」となる四字熟語です。今も使われていることわざの誕生物語はとっても面白いです。
塞翁失馬(さいおうしつば)
意味 人生の幸不幸はわからないから、一喜一憂しないこと。 |
面白ポイント 出典「淮南子」人間訓「人間万事塞翁が馬。禍福は糾える縄の如し」 老いた占い師の馬が逃げたので、隣人がなぐさめると「近く、いいことがある」と答えた。 予言通り、その馬が良馬を連れて帰ってきた。 隣人が祝うと、老人は「禍いを招くかもしれない」と言う。 またもやその通り、老人の子供が落馬し、足にケガをしてしまった。 また隣人がなぐさめると今度は、「これは福となるだろう」と答えた。 のちにその子供は足のケガによって、戦争の徴兵を免れることになった。 |
人主逆鱗(じんしゅげきりん)
意味 主人の怒りに触れること。逆鱗に触れる。 |
面白ポイント 出典「韓非子」「人生も亦(マタ)、逆鱗有り」 竜のアゴの下には逆になった鱗がある。 それに触れた人は、怒った竜に食い殺されるという伝説から。 竜は天子や君子にたとえられ、最高権力者の怒りを買う恐ろしさをあらわしている。 |
一登竜門(いっとりゅうもん)
意味 一度、偉い人に認められたら、その人の価値が十倍になること。 |
面白ポイント 出典李太白「韓荊州ニ与フル書」「登竜門」の語源。 「竜門(黄河上流の難所)」を登った鯉は竜になるという伝説から。 立身出世や一流校などへ入学することを「登竜門」と呼ぶようになった。 |
母猿断腸(ぼえんだんちょう)
意味 悲しさのあまり、はらわたが断ち切れてしまうこと。 |
面白ポイント 出典「世説新語」黜免「断腸の思い」の語源。 晋の兵士が蜀に攻め入る途中、揚子江の近くで子猿を捕まえた。 それを見た母猿が悲痛な叫び声をあげながら、百里も追いかけたすえ、船に飛び込み死んでしまった。 母猿の腹をさいたところ、腸がズタズタにちぎれていたことから。 |
桃李成蹊(とうりせいけい)
意味 立派な人の周りには、自然と人が集まってくる。 |
面白ポイント 出典「史記」李将軍「成蹊」の語源。 桃や李(スモモ)は何も言わないが、その花の美しさに人が訪れ、自然と蹊(道)が作られることから。 |
狐仮虎威(こかこい)
意味 他人の威勢をかさに威張ること。 |
面白ポイント 出典「戦国策」楚策「虎の威を借りる狐」の語源。 虎に捕まった狐が虎に向かって、「私は天帝に百獣の長になるように命じられているので、食べてはいけません。もし疑うなら、私の後ろからついてきてください」と言った。 虎が狐の後ろを歩いて行くと、みな逃げ出したので狐の話を信じた。 虎はみんなが逃げ出した本当の理由(虎が恐い)を知らなかったことから。 |
破天荒解(はてんこうかい)
意味 前代未聞、前人未到の境地を開くこと。 |
面白ポイント 出典「北夢瑣言」「破天荒」の語源。 唐代の科挙(国家公務員上級職採用試験)の受験資格者は、国立学校の成績優等生と、地方長官による選抜試験の合格者の中からとくに中央に推挙され者のみ。 後者は「解(諸事に通じているもの)」と呼ばれた。 しかし、地方試験に合格しても及第する者がおらず、「天荒解(不作)」と言われていた。 劉蛻(リュウセイ)が初めて中央試験に合格し、「破天荒解(不作を破った者)」と言われたことから。 「天荒」は天地未開の混沌とした地。 |
折檻諫言(せっかんかんげん)
意味 親が子供を厳しく叱って、いましめること。 |
面白ポイント 出典「漢書」朱雲(前漢の学者/政治家)「折檻」の語源。 朱雲が、成帝の奸臣(邪悪な家臣)・張禹を斬るよう厳しく諫(イサ)めたところ、成帝が怒り、朱雲を連れ出そうとした。 しかし、朱雲は欄檻に掴まって諫言(いさめる言葉)を繰りかえしたため、欄檻が折れてしまったことから。 |
折角高慢(せっかくこうまん)
意味 得意になっている人の高慢な鼻をへし折ること。 |
面白ポイント 出典「漢書」朱雲 玄帝の寵臣(お気に入りの臣下)で五鹿(ゴロク)の人である充宗が高慢なので、朱雲が易経で論争し、打ち勝った。 五鹿に遠慮していた他の学者が、「五鹿嶽々(ガクガク)タリ、朱雲、ソノ角(ツノ)ヲ折ル」と喜んだことから。 |
現在の意味 わざわざ行うこと。 |
面白ポイント 出典「後漢書」郭泰「せっかく」の語源。 後漢の郭泰が外出時、夕立にあい、頭巾の角が折れてしまった。 人々がそれを真似て、わざわざ同じように頭巾の角を折ってかぶったことから。 |
必求壟断(ひっきゅうろうだん)
意味 ひとりの商人が利益を独占すること。 |
面白ポイント 出典「孟子」公孫丑「壟断(利益を独占する)」の語源。 欲深な商人が、露天市場の一番見晴らしの良い場所を独占し、利益を独占した。 そのため、役人はこの商人だけから税金を取ることにしたことから。 |
歴史のストーリーが面白い 四字熟語
ふだん、中国の歴史書は読まないけれど、こうして触れてみると面白いものです。各時代や王の名前は難しいですが、日本の漢字とほぼ一緒なので、意外と読めちゃうかもしれません。
願賜骸骨(がんしがいこつ)
意味 辞職を願い出ることのたとえ。 |
面白ポイント 出典「史記」項羽本記 楚の覇王・項羽は、漢の王・劉邦の食糧の道を断ち、陥落寸前まで攻め入った。 窮した劉邦は和睦を願い出たが、項羽はこれを拒否。 劉邦は大金を投じ、楚軍の内部崩壊を図る。 もともと疑い深かった項羽は誰のことも信じられなくなり、ついには頼りにしていた范僧(参謀)までも疑うようになった。 范僧は「私は骸骨をいだいて、もとの一兵卒にもどりたく存じます」と項羽のもとを離れていった。 その数年後、項羽は戦いに敗れ、自害することになる。 |
奇貨可居(きかおくべし)
意味 得難い機会をうまく利用するべきということ。 |
面白ポイント 出典「史記」呂不韋(リョフイ)伝 韓の都の豪商・呂不韋は、趙の都に商用で来た。 すると、秦の太子の庶子(妾の子)である子楚が人質として住んでいることを知った。 子楚は趙では礼遇されていなかったが、呂不韋は「これは掘り出し物を見つけた。取っておこう」と考えた。 子楚に「秦王となる安国君さまに子供がいないので、多くの庶子から太子を選ぶことでしょう。あなたが太子になれるよう私が働きましょう」と、援助を申し出た。 喜んだ子楚は呂不韋のおかげで、めでたく太子となった。 そのうえ、呂不韋の子を身ごもっていた寵姫(お気に入りの侍女)を子楚の夫人とした。 そして、生まれた男子は中国統一の始祖である秦の始皇帝となった。 |
晏子乃御(あんしのぎょ)
意味 低い地位で満足して得意がる人。 上司の権威を自分のことのようにして威張る人物。 |
面白ポイント 出典「史記」晏嬰 「晏子」は斉国の宰相。「御」は運転手。 宰相の馬車の運転手が、意気揚々と得意げに出て行った。 その様子をみた運転手の妻が、「宰相は小柄だが、少しも威張ることがない立派な人だ。あなたは大男なのに宰相の運転手だからと得意気だ。将来の見込みがないので離縁したい」と申し出た。 それを聞いた運転手の夫は態度を改め、その後、重要な立場のある人物となった。 |
殷艦不縁(いんかんふえん)
意味 鑑みる(比べて考えること)はすぐ身近にある。 |
面白ポイント 出典「詩経」大雅「殷艦遠からず」 中国王朝の夏の第17代桀王(ケツオウ)は、妹喜(バッキ)という女に溺れ、殷の湯王(トウオウ)に討たれる。 その殷の第28代紂王(チュウオウ)は、毒婦(悪婦)の妲己(ダッキ)と酒池肉林の豪遊三昧。 見かねた西伯は「殷の鑑とすべき先例は、遠くに求めなくとも、前朝の夏王(桀王)の世にあります」と諫めた。 しかし、淫楽と暴虐三昧であった紂王は西伯の息子・周の武王に討たれてしまう。 だが、そんな周の第12代幽王も、美女にうつつを抜かし、国を失ってしまう。 |
画蛇添足(がだてんそく)
意味 無用の付け足し。蛇足の語源。 |
面白ポイント 出典「戦国策」斉策「蛇を画いて足を添う」 楚の宰相の昭陽は魏を討ち、次は斉を攻めようとした。斉の使者となった論客の陳軫(チンシン)が昭陽に会い、次のような例え話をした。 「主人が祝い酒を近侍に与えると、最初に地面に蛇を書き上げた者が酒を飲むこととなった。 最初の近侍が地面に蛇を書き、酒を引き寄せながら蛇の足まで書いたところ、次の近侍が「蛇には足がない」と言って、酒を取り上げ飲んでしまった」 この例え話をしたあと、陳軫は昭陽に向かって言った。 「あなたの持つ宰相より上の位はありません。これ以上の功績を望まれるのは「蛇足」というものです」 その言葉に納得した昭陽は戦いを止めて、斉から引き上げていった。 |
狛尾続貂(くびぞくちょう)
意味 つまらない人が高い位についたことを嘲笑する言葉。 |
面白ポイント 出典「晋書」趙王倫「狛尾、貂に続く」 西晋の趙王倫(チョウオウリン)は帝位を奪ったものの、部下が不足していた。 そこで、下僕も高官に登用し、貂(テン)の尾で飾った冠をつけさせた。 それを見た人が「貂の尾が足りないから犬の尾で間に合わせている」とあざけったことから。 |
約法三章(やくほうさんしょう)
意味 法令を簡素化して三か条だけにすること。 |
面白ポイント 出典「史記」高祖本記「法、三章のみ約す」 「人を殺した者は死刑、人を傷つけた者、盗みをした者は処罰する」 漢の高祖である劉邦は秦を滅ぼした。 そして、秦の始皇帝が決めた複雑な法律を簡素化し、民の心を得ようとしたことから。 |
余桃乃罪(よとうのつみ)
意味 一人の臣下の同じ行為であっても、君主の愛情の変化によって、罪になることもあること。 |
面白ポイント 出典「韓非子」税難 衛の国の君主から寵愛されていた弥子瑕(ビシカ)は、母親の見舞へ行くとき、無断で君主の車に乗った。 しかし罰せられず、逆に親孝行だと誉められた。 また、弥子瑕が食べかけの桃を献上したところ、君主は「おいしいからと自分が食べかけた桃を食べさせてくれた」と喜んだ。 しかし、弥子瑕への愛情が失せると、君主は「無断で主君の車に乗り、食い残しの桃を食べさせた」とののしり、罰を与えた。 |
今も教訓とすべき面白い 四字熟語
「人間の悩みはいつの時代も同じなんだ」と、しんみりする四字熟語があれば、「どうしてこんな意味になったの?」と、いぶかる四字熟語の数々…由来を知ってスッキリしましょう。
人間青山(じんかんせいざん)
意味 故郷を離れ広い世界で、勇ましく活動しようとすること。 |
面白ポイント 出典釈月性「人間、至る処に青山あり」 「人間」は世の中。世間の意味。 「青山」は青々とした山。転じて、死に場所のこと。 死に場所はどこにでもあるのだから、広い世界を見てみようということ。 |
杯中蛇影(はいちゅうだえい)
意味 何でもないことを勘違いして悩むこと。 |
面白ポイント 出典「風俗通義」 杜宣が上司宅で酒を出された時のこと。 壁にあった朱塗りの弓が杯の酒に写り、蛇のように見えた。 杜宣は怯えながら上司のてまえ、やっとの思いで酒を飲み干した。 そして、帰宅してすぐ病気になってしまった。 これを知った上司が杜宣を再び自宅に招いた。 前回と同じように杯を出し、蛇ではないことを伝えると、杜宣はすぐに元気を取り戻した。 |
煮豆燃萁(しゃとうねんき)
意味 兄弟仲が悪く、互いに苦しめ合うたとえ。 |
面白ポイント 出典「古源詩」七歩詩「豆を煮るに萁(マメガラ)を燃く」 三国時代、魏の文帝の曹丕(ソウヒ)は、文才のある弟の曹植(ソウチ)を妬んでいた。 ある時、弟へ「自分の前を七歩あゆむうちに詩を作れ。さもないと厳罰に処する」と命令した。 弟はあっという間に兄の無情を嘆く詩を作った。 「七歩の才」ともいい、すぐれた詩を作る文才を讃える意味があります。 |
君子三戒(くんしさんかい)
意味 年齢に応じた慎むべき三つの教え。 |
面白ポイント 出典「論語」季氏 ①青年期は、情緒・意欲が安定せず、感情の起伏も激しい。 特に異性関係に留意すること。 ②壮年期は、血気盛んで実践力もつき、大人の判断もできる。 ただ自信過剰になりやすいため、他人との衝突に注意すること。 ③老年期は、意欲・体力が衰えるが欲望は旺盛である。 しかし、欲に引きずられないように自制すること。 |
吹毛求疵(すいもうきゅうし)
意味 人のあら捜しや余計なことをして、逆効果となること。 |
面白ポイント 出典「韓非子」大体「毛を吹いて、疵(キズ)を求む」 皮膚をおおう毛を吹いて、中の傷を探し出そうとするように、無理やり人の欠点を探しだそうとする者は、逆に自分の欠点や悪事を暴露することになりかねない。 |
苛政猛虎(かせいもうこ)
意味 過酷な政治の在り方は害を及ぼすこと。 |
面白ポイント 出典「礼記」檀弓「苛政は虎よりも猛し」 孔子が泰山(山東省)を通ると、一人の婦人が「舅、夫、息子まで虎に食い殺されてしまった」と泣いていた。 「では、なぜこんな恐ろしい所に住み続けているのか?」と尋ねると、婦人は「むごい政治がないからです」と答えたことから。 |
窮猿奔林(きゅうえんほんりん)
意味 生活に窮する者は就職する際、仕事内容や給料などについて何も言わないこと。 |
面白ポイント 出典「晋書」利充載記。「窮猿、早しを奔る」 追い詰められた猿は、木の良し悪しを選ぶ余裕がなく、どんな木にもよじ登って身を隠そうとすることから。 |
懐璧有罪(かいへきゆうざい)
意味 善良な人も、身分不相応の大金を持つと、逆に禍を招くことになる。 |
面白ポイント 出典「左伝」桓公「匹夫罪なし、璧を懐いて罪有り」 「璧」は最高の宝玉。「匹夫」は凡人。 凡人が持ちつけないものを持つと、とんでもないことになるという戒め。 |
懸頭刺股(けんとうしし)
意味 非常に努力すること。 |
面白ポイント 出典「楚国先賢伝」「戦国策」泰策「頭を懸け股を刺す」 勉強して眠くなると、頭を綱に懸けて引っ張ったり、股を錐(キリ)で刺して眠気を覚まそうとすることから。 |
呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ)
意味 思い過ごしにより、ひどく怯え恐れること。 |
面白ポイント 出典「世説新語」言語「呉牛、月に喘ぐ」 呉牛(南の国の水牛)は、日照りの暑さを恐れ、月が出ても太陽が出たと勘違いして喘ぐことから。 |
守株待兎(しゅしゅたいと)
意味 融通が利かないこと。状況変化に対応しないこと。 |
面白ポイント 出典「韓非子」 宋の農夫が畑を耕していた時、ウサギが切株に頭をぶつけて死んだ。 それ以降、農夫は仕事をやめ、切株を見つめてウサギが再びぶつかるのを待ち続けた。 しかし二度と同じことはなく、農夫は国中の笑い者になったことから。 |
指鹿為馬(しろくいば)
意味 間違いを押し通して、人をあざむくこと。 |
面白ポイント 出典「史記」秦始皇帝本記 秦の趙高が大臣となり、横暴をきわめていた。 ある時、趙高が皇帝へ「馬です」と言って鹿を献上した。 皇帝は笑って「鹿だ」と言ったが、趙高を恐れた家臣たちは沈黙したり、「馬だと思います」と答えたことから。 |
垂涎三尺(すいぜんさんじゃく)
意味 非常に強く、物を欲しがること。 |
面白ポイント 食事を見て涎(ヨダレ)を長々と垂らす様子から。 よだれを垂らす意味の垂涎は「すいぜん」、水が細く流れる意味の垂涎は「すいえん」と読みます。 |
西狩獲麟(せいしゅかくりん)
意味 絶筆。転じて、物事の終わり。 |
面白ポイント 孔子が晩年、「西狩獲麟(西へ狩りをして麒麟と獲る)」と書いて絶筆したことから。 「獲麟」だけでも絶筆をあらわします。 |
積毀銷骨(せっきしょうこつ)
意味 人の悪口も、積み重なると人を破滅させる。 |
面白ポイント 出典「風俗通」正矢「積毀、骨を銷かす」 度重なる讒言(ソシリ)は堅い骨さえも溶かしてしまう。 衆口の恐ろしさのたとえ。 「毀」はこぼす。そしる。人の悪口を言う。 「銷」はとかす。消す。消える。 同義語に「衆口金を鑠かす」があります。 |
投瓜得瓊(とうかとくけい)
意味 わずかな贈り物で、多くの返礼をもらうこと。 |
面白ポイント 出典「詩経」衛風「瓜を投げ瓊(光り輝く玉)を得る」 衛の国の復興に尽力した斉の桓公に対する衛の国民の感謝の気持ちをうたった歌。 「瓜を投げ、美しい玉を手にする」は、恋人同士の愛の交換という意味でもあります。 |
買死馬骨(ばいしばこつ)
意味 価値のある物を購入する為、わざと役立たずの物を尊重してみせること。 |
面白ポイント 出典「戦国策」燕策「死馬の骨を買う」 ある国の王が使者へ、1日千里も歩くことができる名馬を買うようにと千金を持たせた。 すると、使用人は半分の500金で死んだ馬の骨を買ってきた。 王は怒ったが、使者は「死馬の骨に大金を使ったのだから、じきに名馬を売る者が来るでしょう」と答えた。 ほどなくして、1日千里を歩く名馬の売り手が3人もやってきたことから。 |
尾生乃信(びせいのしん)
意味 馬鹿正直。約束を固く守ること。 |
面白ポイント 出典「史記」蘇秦 春秋時代、魯の尾生高という男が女性と橋の下で待ち合わせをした。 待てど暮らせど、とうとう女性は来なかった。 そのうち、大雨が降り始め川が増水しても、尾生高は女性を待ち続け、ついには溺死してしまったことから。 |
尾大不掉(びだいふとう)
意味 臣下の勢力が強いと、君主の自由にならないこと。 |
面白ポイント 出典「左伝」昭公「尾大きくして掉れず」 尻尾が大きすぎると、自分の力では動かしづらくなることから。 |
不買美田(ふばいびでん)
意味 子孫に財産を残すことが親の愛情、務めではない。 |
面白ポイント 出典西郷隆盛「偶成詩」「児孫(ジソン)の為に美田を買わず」 親の本当の務めは、子供に自立の気概と能力を持たせることが肝心であるということ。 |
并洲乃情(へいしゅうのじょう)
意味 「住めば都」と同じ意味。 |
面白ポイント 出典中唐の詩人・賈島(カトウ) 都を離れ、辺地である并洲で、いやだいやだと都を懐かしみながら10年が経った。 すると、辞令が出て北へ転勤となった。 あれほどいやだと思っていたのに、今になってみると并洲が故郷にように懐かしく思うとの詩から。 |
遼東乃豕(りょうとうのいのこ)
意味 自分だけが偉いと思っていること。 |
面白ポイント 出典「文選」朱叔元 遼東(遼寧省の南部)の人が、白頭の豚が珍しいので献上しようと河東へ行った。 すると、そこの豚はみな白頭だったので恥をかいてしまったことから。「豕」は豚、いのしし。 |
まとめ
最後まで読んで頂き、有難うございました。
誕生した背景や由来が面白いと思う四字熟語を「ことわざ」「歴史のストーリー」「教訓」にわけてご紹介しました。
今回は、パソコンで文字を打ち込んでも変換できない、聞きなれない四字熟語を中心にしてみました。
その由来には、これは本当にあった話だとか、絶対に作り話でしょうと思うものがありますが、真実ならなおのこと、そして創作にしても面白いものだと感心します。
四千年の歴史と言われる中国から誕生した四字熟語はまだまだありますから、続編を作る気満々です。いつかまた見に来てくださいね~