「もちょこい」は「もうちょっとこっちへ来い」の短縮形?と思った方はいませんか?私も北海道民でなければ、そう思ったかもしれません。
この「もちょこい」は誰かに教わった覚えはないのに、人から○○されると勝手に口から飛び出します。使おうと思って使っているわけではありません。まさに北海道の大地に生まれた時、細胞のDNAに刻印されたものとしか思えません。
そして「もちょこい」の意味を漢字変換すると、驚きの意味を合わせ持っていることがわかりました。
この記事では、「もちょこい」の意味と漢字、その驚きの意味、そしてNG勘違い場面や他県の方言をご紹介します。
「もちょこい」の意味&使われている地域
「もちょこい」の意味は「くすぐったい」です。
「くすぐった・い【擽】」《形》
①くすぐられてむずむずした感じである。
②きまりがわるい。てれくさい。「あまりほめられると、ー・い」
引用元:広辞苑第七版 岩波書店
「もちょこい」は北海道函館・小樽、青森県南部で使われています。他に「もじょこい」「もちゃこい」「もじょくさい」など、「も」で始まる方言があります。
はっきりとした由来はわかりませんが、『「むずむず」より「もちょもちょ」の響きの方がシックリくるんでないかい?』となり、いつしか「もちょこい」「もちゃこい」と言われるようになったのではないでしょうか?
漢字変換したら驚いた意味とは
「くすぐったい」を漢字変換すると「擽ったい」になります。
この「擽(リャク)」という漢字には「うつ。はらう」という意味もあります。
擽《意味》
{動}うつ。むちうつ。むちなどで強くたたく。たたいてくだく。
(同)⇒掠(リャク)。「笞擽 (チリャク)(むちでうつ)」。
(国)くすぐる。皮膚に軽くふれて、笑いたいような感じをおこさせる。
引用元:漢字源 JIS第1~4水準版 学研
「擽」には「くすぐる。~笑いたいような感じをおこさせる」という可愛らしさとは正反対の厳しさを感じる「うつ」という意味もありました。
笞(むち)と擽(りゃく)で「笞擽(チリャク)=むちでうつ」と聞くと、とても笑いたいような感じにはなりませんね。なぜこのような対照的な意味を持ち合わせるようになったのか不思議です。
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「もちょこい」「もちょこす」の使い方やNG場面を学んで、あなたももちょこいマスターになりましょう!
もちょこす時、「これくらいならいいだろう」「笑ってるから喜んでるんだろう」は大きな勘違いです。相手に嫌われる前にやめましょう。
他県の「くすぐったい」は?
「くすぐったい」の方言があまりにも面白く、バリエーションがあり過ぎて、本当にこんな方言があるのだろうか?と思いましたが、他県からすると「もちょこい」もその一つですね。
- あちぴょてー
- えちゃらっこい
- くすばいー
- くそばいー
- けぶたい
- ここっわり
- こそくたい
- こそばい
- こちょばいか
- こっけたい
- こつまかたい
- しりこそばい
- ちょこばいー
- むぐたい
- もーらーしー
- もぞがりー
- ももっこい
- ももっちー
北海道では「こちょばい」とも言います。「こちょばい」は島根県邑智郡で幼児語として使われています。
こちょこちょ~こちょばいか~い?
こちょばいけど、スキンシップのいっかんなので頑張ります
まとめ
「もちょこい」方言の意味は「くすぐったい(擽ったい)」です。
「擽」という漢字には「くすぐったい。~笑いたいような感じ」とは正反対の「うつ。はらう」という意味がありました。
他の地域にも「くすぐったい」を意味する方言は数多くありましたが、どちらにしてもやり過ぎは禁物です。相手の笑顔が消える前にやめましょう。
この記事では、「もちょこい」の意味と漢字、その驚きの意味、そしてNG勘違い場面や各県の「くすぐったい」方言をご紹介しました。